ココロモチ時代遅れ

何事もちょっと古めが好き、でも面倒すぎるのはパス(笑)

【小説】「オリンピックの身代金」(奥田英朗)

雨が長々と続いています。こんな時は読書などいかがでしょうか。

今、私がオススメしたいのは「オリンピックの身代金」(奥田英朗)です。
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とにかくアツい物語なので、夏に読むのがオススメです。しかも、言わずもがな、先日、東京オリンピックが開催されたところ。小説の舞台は前回の東京オリンピックですが、「いつ読むの?」「いまでしょ!」ってくらいタイムリーだと思います!


貧しい山村生まれの東大生が、東京オリンピック関係の工事現場で落命した兄に代わり、初めての肉体労働に従事。権力者と底辺の労働者、東京と地方の格差を目の当たりにして激しく憤り、政府にギャフンと言わせてやろうと、東京オリンピック開催を人質に身代金を要求する・・・というお話。

警察という巨大な敵を相手に、裏社会に通じたオジサンとたった二人で闘いを挑む若者。対するは、犯人を逮捕して無事にオリンピックを開催させ、晴れて生まれてくる子を抱きたいと切に願う警察官。

とにかく登場人物の想いがアツくて、オリンピックに浮かれる国民の熱気が熱くて、季節も暑くて、大変にエネルギッシュな小説。ドーピングで活力を過給しながらの逃走撃は息もつかせぬ展開で、一気読み必至です。


書いていたらまた読みたくなってきました(笑) 3回目、読もうかな。


ところでこの小説、大好きなのですが、納得できないところが一つだけあります。それは、金を取るというやり方。格差に憤って国家に弓を引くなら、オリンピック関係で亡くなった人々の人数や名を公表させるとかの方がいいんじゃない?と思ってしまいます。